格安SIMにして携帯料金がいくら下がったかまとめてみた


荘加 大祐(Daisuke Shoka)

(投稿日のとおり、古い内容のエントリーになります。現在とは大きく状況が異なりますのでご注意ください)

格安SIMの現在

格安SIMってあるじゃないですか。もう話題としての旬は過ぎちゃった感じですけど。

そんな中、こんなニュースが流れてきました。

調査会社のMMD研究所(東京・港)は21日、携帯電話の利用者動向の調査をまとめた。インターネット経由で約4万3000人に調査したところ、いわゆる格安スマートフォン(スマホ)の利用者が全体の12.9%に達した。

というわけで、現在、格安SIMのシェアは約13%みたいです。これだけ低いってことはあんまり認知されてないのかなと思ったら、そんなことはありませんでした。

一方、MVNOが展開するいわゆる格安SIMサービスについて「全く知らない」と答えた人は10.9%にとどまり、9割の人が格安スマホの存在を認識していることが分かった。

(ともに出典:100人のうち13人 格安スマホ普及率の今 :日本経済新聞

9割の人は、格安SIMのことを知っているみたいです。つまり、ほとんどの人は格安SIMの存在を知っているが、3大キャリアからのスイッチはしていない

なんでなんだろうと思ったら、しっかり調査が存在してました。

mvno-1

(出典:格安SIM検討者の意識調査

1位の2年縛りの話を除くと、「よく分からんし、周りに使っている人がいないからやめとく」って感じですね。

そりゃそうですよね。格安SIMとかMVNOとか言われてもよく分からないし、なんか胡散臭いイメージがどうしてもある。それで周りも誰も使ってないとなったら、さすがにちょっと手を出せないですよね。

それで、実は僕、もう去年の11月から格安SIMを使ってます。個人的にはいい感じなので、料金とか使用感とかをまとめてみました。実際、費用的にはかなりメリットがあるので、検討してもいいと思いますよ。

ではでは、始めていきましょう。

Before/After

とりあえず、プランのBefore/Afterはこんな感じです。

<Before>

プラン:auのパケ放題プラン(無料通話が何分だったかは失念)

端末:iPhone 6s

<After>

プラン:FREETELの「使った分だけ安心プラン(音声通話付き)」

端末:iPhone 6s(au時代のものをSIMロックを外して流用)

料金の変化

まずは早速、一番気になる料金の変化からみてみましょう。こんな感じでした。ドン!

mvno-2

そんなわけで、月額の平均は8,722円から2,988円と下がり、平均で月額5,700円の節約に成功しました年間70,000円くらいですね。これは僕自身もどれくらい下がったのか気になっていたので、こうして金額がハッキリ分かって嬉しいです。

ただ、実はこれで「格安SIMにすると年間7万円浮く」と言うのは間違っています。グラフの左側と右側は「携帯会社に払う月額料金」という意味では同じですが、「何にお金を払っているのか」の内容が違います。ここを詳しく説明しておきましょう。

3大キャリアと格安SIMの月額料金の違い

まずは以下の表を見てください。

mvno-3

このように、3大キャリアの月額料金は「通信料金」と「端末料金」がゴチャっとセットになっています。一方、格安SIMは通信料金だけです(業者によっては端末とのセット販売もやっているところもあるのですが、今回は割愛します)。

「え、3大キャリアの場合、端末はタダでもらえるじゃん」と思った人もいるかもしれませんが、それは錯覚です。3大キャリアでは、僕たちはローンで端末を購入しています。それの分割払金と通信料金がセットで毎月請求されているのです。端末を手にしたときに大金を払っていないので、タダで手に入れたような錯覚に陥っているだけです。

たとえば、先日発売になったiPhone 8は、Appleで買うと最も安いモデルでも78,800円します。しかし、キャリア経由でiPhoneを買った場合、こんな金額をいきなり払う必要はありません。端末をローンで購入したことになり、その分が月額料金に乗ってくるからです。

もちろん、Appleで買おうが3大キャリアで買おうが、同じiPhoneを買っていることに変わりはありません。結局は似たような金額を払うことになります。ただ、24ヵ月の分割払いなので、よく分からなくなるんですよね。

そんなわけで、3大キャリアで契約した場合、自分が端末にいくら払っているのかはよく分かりません

一方、格安SIMは通信料金だけです。このおかげで、月額の料金が下がり、スッキリ分かりやすくなるというメリットがあります。しかし、格安SIMに契約するには、端末は自分で調達しなければなりません。これを「デメリット」と呼ぶかは考えどころですが、とにかく3大キャリアと契約するときとは事情が変わります。

たとえば、さっき「格安SIMにすると、年間7万円くらい得になる」って書きましたけど、2年に1回最新のiPhoneを買うなら、14万円の得のうち10万円くらいは端末代としてぶっ飛ぶわけです。頻繁にハイスペックな最新携帯に買い換えるなら、下手すると3大キャリアの方が得になるケースもあるかもしれません。このへんは注意が必要です。

まとめると、格安SIMに契約するということは、端末と通信をセットで買うことをやめて、通信だけを買うということです。その結果として月額の支払は下がることになりますが、端末を買い換えるときには大きな支出が待っているということは覚えておきましょう。

で、僕としては、格安SIMにしたことは本当に良かったと思っています。自分が何にいくら払っているのか理解したいですから。これまでよく分かっていなかった「端末の料金」を、ハッキリ意識するようになりました

今までは最新のiPhoneが出たら何となく機種変更したりしてましたけど、これからは8万円の買い物ですからね。よほどの進化がない限り買い替えないと思います。もうスマホの進化って止まっているように見えるので、下手したら今のiPhone 6Sをバッテリーを替えながら10年くらい使うかもしれません。iPhone Xを見てみないと何とも言えないところではありますが。

移行時にかかる料金

次に、移行時にかかるお金について説明しておきましょう。分かりにくくなるのでグラフからは割愛しましたが、移行するときにガツンとお金がかかります

先ほど述べたとおり、3大キャリアでは端末をローンで購入しています。よって、解約時にローン(これを「残債」と呼ぶ)が残っていると、最後に一括精算しなければならないんですね。また、MNP(電話番号の引き継ぎ)をする場合はその手数料もかかります。さらに、2年契約の更新タイミング以外で移行する場合は、違約金も1万円くらいかかります。僕は更新タイミングで移行したので0円でしたが。

まとめると、①端末の残債、②MNP手数料、③違約金の3つが、移行時にドカンと襲ってきます。これがいくらになるかは人によりますが、僕の場合は残債とMNP手数料の合計で、約30,000円かかりました。

ただ、これに関して僕は完全に納得しています。MNP手数料はどうしようもないし、残債は自分のした買い物の結果だからです。auで契約し続けたとしても払うお金なわけですから、受け入れるしかない。むしろ、「自分は高い買い物をしていたのだ」ということが分かって良かったです。

ついでに言っておくと、違約金を理由に移行を躊躇するのは間違っています。プランにもよりますが、違約金の1万円は2-3ヵ月もあれば通信料金の差額で回収できるケースがほとんどです。契約更新タイミングが3ヵ月以上先なら、さっさと切り替えるべきですね。

先ほど紹介した調査では違約金が格安SIMに切り替えない理由のトップでしたが、これは合理的じゃないと思います。「違約金を払うのはなんか悔しい」という気持ちはすごく分かりますが、割り切って払った方が得でしょう。

使用感はどうか

次に、安くなったはいいけど、使用感はどうなんだって話です。格安SIMは通信速度が遅くて使い物にならないとか聞きますよね。

結論から言うと、僕には違いが分かりませんでした。本当に、何も違わない。ただ月額料金が安くなっただけです。

ただ、念のため言っておくと、僕はスマホのライトユーザーです。スーパーライトユーザーってレベルですかね。

僕は自分がスマホを触ってもロクなことをしないことを知っているので、スマホを避けているんですよね。電車でも、スマホはカバンにしまってKindleを出すことを心がけてます。スマホでも電子書籍は読めますが、スマホを触ったら最後、電子書籍なんて絶対に読まないんですよね。ニュースサイトから始まり、2chのまとめサイトで終わります。

そんなわけで、格安SIMに切り替えるときにも、「たとえ通信速度が遅くなるとしても、むしろそれはメリットだ」くらいに考えてました。僕がスマホでやる有意義な行動はメールチェックとアイデアのメモくらいで、他はどうしようもない行動です。だったら、通信速度が遅くなってスマホの使い勝手が悪くなるのは、むしろ有り難いんですよね。実際は通信速度の違いは感じませんでしたが。

意識の高い話をしてしまいましたが、通信速度はあまり気にしなくていいんじゃないかというのが僕の意見です。ただ、ここは人それぞれだと思いますし、もし通信速度にこだわるなら、格安SIMキャリアを慎重に選ぶか、3大キャリアのまま様子見した方がいいでしょう。

なお、通信速度の他にも、格安SIMにはいくつかデメリットがあるとされています。それらに関しては割愛するので、気になる人は「格安SIM デメリット」で検索してみてください。

どこの格安SIMがいいのか

で、結局、どこの格安SIMがいいんだよ? って話になります。ハッキリ言って、格安SIMキャリアが多すぎますからね。検索で比較サイトを見ても業者臭のする情報過多なものばかりで、サッパリ分かりません。

ここで、自分の使っているFREETELを力強くオススメして、アフィリエイトリンクでも貼っておけば、僕もプロブロガーの仲間入りができそうです。しかし、残念ながらそれはできません。FREETELは2017年4月、広告表示に問題があるとして行政指導をくらっています。ズコー。

www.itmedia.co.jp

いや、FREETEL、料金とか使用感は本当に良いんですけどね。通信量を決める必要がなく、使った分だけ料金がかかるプランもすごくいい(僕がFREETELにした決め手はこれ)。僕は大満足です。

まあでも、さすがに行政指導はマズいですよね。広告の内容とサービスの実態に関係があるのかは分かりませんが、とにかく今の時点では胸を張って人にオススメはできないです。今後の挽回に期待します。(2018年4月追記)現在は、FREETELのMVNO事業は楽天モバイルに買収されています。

というわけで、申し訳ありませんが、僕からのオススメはありません。使ってない格安SIMキャリアをオススメするわけにもいかないですからね。

個人的には、ここは悩むところではないので、サイコロを転がして決めたらいいと思います。

先ほど述べたとおり、検索でいくら情報を調べても、正解は見つからない可能性が高いです。というか、ハッキリ言ってどこも同じなんですよね。で、「じゃあ、とりあえず大手にしとくか」と考えると、今度は「大手は回線が混み合って通信速度が下がる」といった情報が見つかり、いよいよ分からなくなります。

ここで悩んで移行できなくなるくらいなら、とりあえずエイヤで切り替えて、細かい自分の好みが分かってから別の格安SIMに切り替えていけばいいと思います。3大キャリアみたいに2年縛りがあるわけではないので。ただ、半年〜1年くらいは縛りがある格安SIMキャリアが多いので、注意してください。以下のリンクが参考になります。

mobareco.jp

ではでは、今回はこのへんで。これからも死ぬまで携帯を使うことを考えると、移行を検討してもいいと思いますよ。